高齢者にレクリエーションを提供する際の注意

介護とレクリエーションは切り離すことができない。障がい者にしても高齢者にしても、施設内で過ごす利用者はレクリエーションを楽しむことになる。

レクリエーションは利用者の運動不足を解消したり、他の利用者と談笑するなどしてストレスを解消できるという面があり、大変有益だ。一見するとメリットだけしかないように思えるが、レクリエーションによるデメリットも見逃せない。

その中でも注視すべきなのが、レクリエーションを好意的に感じていない人の気持ちだ。特にコミュニケーションを好まない人は、賑やかに楽しむレクリエーションが苦手な傾向がある。やりたくもない遊びを無理矢理やって時間を過ごしていると、楽しむどころかストレスが溜まってしまうものだ。

ストレス解消はレクリエーションの目的でもあるのに、これがストレスになってしまっては本末転倒だ。コミュニケーションの好き嫌いだけでなく、認知症によって上手く会話できなくなってしまった場合も、本人にとっては苦痛になりがちだ。

中には施設内の生活に嫌気が増してうつ病になってしまう方もいる。もちろん利用者がうつ病になると、施設側の対応に問題が無かったのか問われるものだ。そうならないためにも、職員は臨機応変な対応が重要であり、レクリエーションを楽しめていない利用者を把握しなければならない。

また、レクリエーションで気をつけたいのが運動だ。軽い運動だと思っていても、場合によっては重大な事故に繋がることもある。特に高齢者は骨が弱くなっているため、たった一回の転倒でも骨折して車イス生活や寝たきりになる可能性がある。職員がレクリエーションを企画する際には、このような危険性をしっかり認識して取り組む必要があるのだ。